「丸政 富士見駅改札横そば店」は“肉食系”駅そば店!?
富士見駅にある駅そば店「丸政(まるまさ)富士見駅改札横そば店」は、改札外にある店舗だ。故に、列車の乗降客以外の人でも利用することができる。
看板には「名物入笠駅そば 丸政」と書かれているが、「入笠」とは前述したとおり、富士見町を代表する山である入笠山のことだと思われる。そして「丸政」はお店の運営会社である株式会社丸政のことだ。
株式会社丸政は、1918(大正7)年に、富士見駅での駅弁の立ち売り業に起源を持つ老舗で、昭和になると山梨県の小淵沢駅近くへと移転。1953(昭和28)年に法人化された。
1985(昭和60)年に発売した、テレビ番組とコラボした高級駅弁「元気甲斐」が大評判となり、人気の駅弁として30年以上のロングセラーを続ける。
丸政の駅そば店は、山梨県の小淵沢駅と長坂駅にもあり、長野県内では“創業の地”である富士見駅に店舗を構えているというわけだ。
「山賊焼き」とは、信州の郷土料理で、ものすごく簡単に説明すると「大きな鶏肉の唐揚げ」的な食べ物だ。
“塩尻ゲートウェイ”を抜け塩尻市・善知鳥峠の「小松食堂」で「山賊定食」・・・もしかして、このお店は“肉食系”の駅そば店なのかな!?
「かけそば(290円)」からのラインアップで、月見、きつね、山菜と続き、「肉(馬肉)そば(480円)」とある。やはり“肉食系”なのか・・・そしてまさかの桜肉!
さらに、野沢菜天、紅生姜天、舞茸天、天玉、山賊、カレーと続く。トッピングは、卵、天ぷら、山賊、きつね、山菜とあった。
他には「おにぎり(110円)」と「いなり(90円)」、そして「持ち込み容器(30円)」を購入することもできる。なるほど、特急「あずさ」の座席でもそばをすすれるわけだ。
※特急「しなの」でそばをすする件については、以下に詳しい。
長野駅6・7番線ホームの駅そば店「信州蕎麦処しなの」信州の駅そば全店制覇の旅!そばを注文しようとお店の方に声をかけると「待合室からお願いします」と言われる・・・はて?
再び、駅の構内に戻り待合室へ進むと・・・
お店の方の食券を渡すと「ちょっと待っててね!」と明るい対応。すぐに調理をはじめた。
うーむ。山賊焼きが載ったそばか・・・そういえば、千葉県の常磐線・我孫子駅のホームにある「弥生軒」で、でかい唐揚げが載ったそばを食べたことがあったな。
弥生軒は、“裸の大将”で知られる画家の山下清氏が働いた店としても知られる名店だが、ものすごいボリュームだったよなぁアレ。その時以来だな・・・などと物思いにふけりつつ・・・
そして「お待ちどおさまー」の声ともに・・・
丼に収まりきらず、はみ出した山賊の佇まいはその名の通り悪党っぽい。そして、この大きさは唐揚げというよりはやっぱり山賊焼きである。こんなそばがあるのか・・・ネギもたっぷりと添えられており、わずかに残された隙間からそばの姿がチラリと見える。
では、いただきます!
ツユは熱々で、醤油の色がしっかりと出た関東風。しかし、味は薄くまろやかでかなりスッキリとしている。
そばは、太めのゆで麺で、コシがほとんどないやわらかタイプ。一口にゆで麺といってもいろいろな種類があると思うが、個人的には、もうすこし固めタイプの方が好みかな?(「冷やし」だと、また印象が変わるので、一概には言えないんだけれど)
山賊焼きからは、ニンニクの香りがほのかに漂う。やはり唐揚げと違いでかくて食べ応えアリ。しかし、でかいが故にツユの温度が伝わりにくく、そのまま喰らいつくと、冷たい肉を食べることになってしまう。
だが、それは駅そばの宿命だ。意図的にツユの中に山賊を沈めることで、温かくなり、かつまろやかなツユの香りをまとい、とてもおいしく頂けた。
山賊にかぶりつき、麺をすすってツユを飲む。全体的な味のバランスは、意外にも油っぽさはあまり感じず、あっさりと食べ進めることができたが、ボリュームはやはりかなりのものだ。お腹をペコペコに減らしてからガッツリと豪快にすするべきそばであり、おにぎりにもよく合いそうだ。
ごちそうさまでした。
終わりに
「丸政 富士見駅改札横そば店」は、駅そばに許された「自由」を積極的に謳歌しているお店だと思った。そもそも駅そばとは、日本の古くからのファーストフードであり、そこには「こうでなきゃならない!」というルールはなかったはずだ。
ユニークで「こんなのアリ!?」と驚くような駅そばを、これからも提供し続けて欲しい。
店舗情報
- 丸政 富士見駅改札横そば店
住所:長野県諏訪郡富士見町・富士見駅
店舗の位置:改札外
電話番号:0551-36-2521
営業時間:10:00~18:00
定休日:無休
駅にそばを食べに行きました、注文した物と別の物が来ました納得出来ませんお金は払ったのに店の人の見間違いです家に帰って来ても腹がたちます