長野県内にある個性的すぎる“駅そば店”をアーカイブする企画『信州の駅そば全店制覇の旅!』。今回は長野県長野市・長野駅東口にある「そば処 水芭蕉」をレポートする。
新幹線開業時に開発が進んだ街
長野駅は、JR東日本の北陸新幹線と信越本線、長野電鉄の長野線、しなの鉄道の北しなの線が乗り入れるターミナル駅だ。さらに信越本線経由でJR篠ノ井線としなの鉄道線が、北しなの線経由でJR飯山線の列車がそれぞれ乗り入れる。
それゆえなのか・・・もしくは信州を訪れる観光客が、駅そばにおいても“信州そば”を期待するためなのかは不明だが、長野駅には8店舗もの駅そば店が存在し、それぞれ味や個性で競い合っている。
いったい何店あるの!?長野駅にある“駅そば”全店鋪を調査してみた長野駅の東口周辺は、メインエントランスである善光寺口に比べると街並みが新しく見える。その理由は、1992(平成4)年からはじまった土地区画整理事業によるもので、1997(平成9)年の北陸新幹線の高崎駅〜長野駅間の開業時前後に一気に開発が進んだエリアであるためだ。
ちなみに、東口には志賀高原や白馬、大町、上高地といったスキー場や行楽地へ向かう「急行バス」のバス停が集約されている。そうした視点で店内の内装を眺めると、やはり観光客を意識しているようにも見える。
もしかしたら、県外から列車で長野駅にたどり着き、バスの時間を気にしながら・・・でも、信州そばも食べたいな・・・お! 目の前にあるじゃん! そんなシチュエーションで、この店でそばを啜ってから目的地を目指すお客さんも多いのかもしれない。うむ! それってまさしく駅そば店の正しい利用方法だ。
水芭蕉の店内は、駅そば店としてはかなり広い。座席は“コの字型”のカウンターを中心に、壁沿いにもカウンターが設置されている。
水芭蕉のメニューは、かけそば(ゆで麺・310円)からのラインアップで、具材はえび天ぷら、山菜、キツネ、鴨肉。とろろ、安曇野葉わさび、きのこ、野沢菜わさび昆布、かき揚げ、ネギ、温泉玉子と実に多彩である。さらに・・・
信州生そば(上)のご案内
信州の澄んだ空気と清らかな水で育んだ信州の風味をご賞味ください。
其の一 生冷凍なので、打ち立てそのまま
其の二 特選そば粉含有量は六割
其の三 製麺地は長野県
つまり水芭蕉では麺を、そば(特上=生そば)、そば(ゆで麺)、うどん(ゆで麺)からチョイスすることができるわけだ。ちなみにこのシステム(?)は、長野県内のほかの駅そば店でも割とよく見かける。
注文する際には麺のゆで時間が、ゆで麺が1分であるのに対して特上では3分ほどかかることにも留意(乗り継ぎ時に利用する場合など)しておこう。