先日、ネットで長野県の各自治体の“標高が高すぎる”ことが、ちょっと話題になっていた。
そういえば・・・以前、長野県安曇野市の山の中を歩いている時に、こんな看板を見かけたことがある。
東京スカイツリーは634mで、電波塔としては世界一の高さを誇る(※2019年現在)。人工的な構造物としては、アラブ首長国連邦のドバイにある高層ビル「ブルジュ・ハリファ(829m)」に次いで世界第2位ということだ。
しかし、長野県をよく知る人にとっては、これらの「高さ=標高」は割と当たり前というか・・・特にココロに響くような数字でもないだろう。だって、もっと標高が高い山々に囲まれた土地なわけだし「・・・別に普通に人が暮らしている標高じゃん」って感じ?
でも、“全国的なレベル”で比較しても本当に普通の標高だといえるのだろうか? というわけでちょっと調べてみることにした。
圧倒的な標高を誇る長野県の自治体!?
調査にあたっては、国土地理院「地理院地図」の標高のデータを参照した。比較するのは各自治体の庁舎の位置とする。
というわけで、まずは全国の都道府県庁が所在する都市の標高を比較してみた。
うーむ・・・圧倒的に標高が高いぞ長野県長野市! 2位の山梨県甲府市と100m近い差をつけぶっちぎりの1位である。視覚的に確認するために東京スカイツリーの写真に書き込みをしてみると・・・
というわけで、全国的に見ても長野県は圧倒的に標高が高い位置に存在することがわかった。では、長野県内の他の自治体はどうだろう?
長野県には77の自治体=19市23町35村(※2019年現在)がある。まずは19ある「市」について調べてみる。その標高をもとに自治体名を東京スカイツリーの写真に書き込むと・・・
写真には9位の伊那市(623m)までしか書き込むことができなかった。つまり、1〜8位までの自治体の標高が東京スカイツリーの高さ=634mを超えてしまったということだ・・・では、ランキングはどうなっているのだろう?
“全国区”では敵なしだった長野市も全県で比較すると17位に沈んだ・・・では、世界一の高さを誇る高層ビルであるブルジュ・ハリファ(829m)の写真に書き込んでみよう。
19市を比較してわかったのは、長野県の中部に位置する都市の標高が高いことだ。対して、北部に位置する都市は総じて標高が低いこともわかる。
・・・なんとなく、北に位置し雪も多い北部の標高はもっと高いような気がしていたが・・・それは錯覚だったようだ(豪雪地帯で知られる飯山市が19市で最も標高が低いとは!)。
ちなみに、長野県を区分する方法はいくつかあるが、今回の調査では“天気予報”でもおなじみの「北部、中部、南部」で分類している。