美しい風景や景観、魅力的なシーンをピックアップして、写真を中心にお伝えする企画『フォトレポ』。今回は、長野県千曲市の「あんずの里」をレポート。
日本一のあんずの里
アンズの花を見たことがあるだろうか? ソメイヨシノより一足先に開花し、この果樹を栽培する地域に春の訪れを知らせる花だ。
長野県千曲市の森・倉科地区は、国内有数のアンズの栽培地であり「あんずの里」として知られている。アンズの花は、3月下旬から4月上旬になるといっせいに開花し、その光景はひと目で多くの花が見渡せることから「一目十万本」とも称されている。
あんずの里では、かなり広い範囲に渡ってアンズが植えられているので、ゆっくりと散歩しながら見てまわることにする。
この地で、アンズの栽培がはじまったのは江戸時代にまでさかのぼるそうだ。
当時の領主であった松代藩3代藩主・真田幸道(さなだ・ゆきみち)に嫁いできた、宇和島藩2代藩主・伊達宗利(だて・むねとし)の娘である豊姫(とよひめ)が、故郷を偲ぶ果樹としてアンズの苗木を国許から取り寄せ、植え付けたのがはじまりだと言われている。
あんずの里で栽培されているのは「平和」「信山丸」「昭和」「信州大実」「信月」「信州サワー」「ハーコット」などの品種がメインだ。それぞれの特徴を活かして生食用や加工用として使い分けている。
また、その他の品種や在来種のアンズなども各所に存在するため、あんずの里を歩き回ると、さまざまなロケーションで樹齢や品種の異なる色とりどりの花を楽しむことができる。
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