中央構造線を肉眼で確認!?長野県大鹿村「中央構造線博物館」と北川露頭・安康露頭で大地の躍動を感じる!

情報量が多すぎてすぐには理解できない・・・

長野県で交わる2つの構造線!?

以前から、長野県を縦断する2つの構造線が気になっていた。それは中央構造線糸魚川静岡構造線という。この2つ・・・どうやらとても有名らしい。

ざっくりと中央構造線と糸魚川静岡構造線の位置をトレースした(画像:国土地理院の電子地形図<タイル>に文字と罫線を追記)

構造線。地震のニュースなどでもよく耳にする言葉だ。でも、いったい何? そう思って調べてみると「地殻変動による大規模な断層帯のことで、異なる地層同士の境界線」ということだった。・・・ふーん。つまり長野県は異なる地層同士の交差点みたいな場所ということ?

次にそれぞれの構造線についてそのルートを調べてみる。

まずは糸魚川静岡構造線。その名の通り新潟県糸魚川市から長野県の諏訪湖を通り静岡県静岡市に至る。構造線の西側には北アルプス(飛騨山脈)や南アルプス(赤石山脈)といった日本有数の山脈が形成されている。うーむ。これだけでも地層の躍動感がすごい。

2つの構造線が交わる“交差点”が諏訪湖だ(画像出典:大鹿村中央構造線博物館webサイト)

対して中央構造線は、諏訪湖から天竜川の東側(国道152号線あたり)を通り、愛知県、紀伊半島を抜け四国から九州に及ぶ長大な構造線だ(※諏訪湖より東側と、九州中部は推測されている位置)。ちなみに、この構造線を境に日本海側を「内帯(ないたい)」、太平洋側を「外帯(がいたい)」と呼んで区別しているということだ。

図を見て単純に考えてみても、日本の中で異なる地層が集中する場所が長野県にあり、また、それらの絶え間ない活動によって、日本有数の山岳地帯となっていったのかなぁ? ということが容易に想像できると思う。

とはいえ、地層とか意識したことはないし・・・実感がわかない。そもそも、構造線って実物が見られるわけじゃないよね? と思っていた。

ところが、実際に肉眼で構造線を見ることができる場所があるらしい! というわけで長野県下伊那郡大鹿村へと向かった。

中央構造線を肉眼で確認せよ!

長野県下伊那郡大鹿村は、県の南東部に位置する自治体で南アルプスと伊那山地の間にある谷あいの山村だ。村の中央部を中央構造線が南北に縦断しており、地質学的にも著名な場所だという。

・・・村の中央部を中央構造線が縦断?

路上に立つ村の案内図には「南アルプスと歌舞伎の村」とあった

村のメインストリート国道152号線は、いわゆる“酷道”として全国にその名を轟かせている

緑がいっぱいの大鹿村。小渋ダムには綺麗な水が注ぐ

大西山にはかつてこの地を襲った「三六災害」による崩落の爪痕が今も残る

というわけで、やってきたのは「大鹿村中央構造線博物館」

屋外の展示スペースには大小の岩石標本が並ぶ

枯山水(?)を思わせる壮大な光景だ

大鹿村中央構造線博物館は、関東から九州へ日本列島を縦断する大断層・中央構造線に関する展示に特化した日本で唯一の博物館だ。そして博物館は“中央構造線のほぼ真上に建つ”という・・・

え! 中央構造線のほぼ真上?・・・って、あった! これか!?

足元を見ると、中央構造線と書かれていた

おお!中央構造線が風景の彼方へと続いている!

左側が内帯・・・つまり日本海側。で、右側が外帯で太平洋側だ。わかる、わかるぞ!

・・・つまり、この先には諏訪湖があるわけだ

うしろを振り返ると、どこまでも・・・そう、九州まで続く中央構造線

では!博物館の内部を見せて頂く

 

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