北アルプスが映える御宝田遊水池
御宝田遊水池の場所はこちら。やはり犀川沿いにあり白鳥湖の北(犀川の下流)方向に位置する。
御宝田遊水池は「御宝田白鳥の会」によって、給餌や飛来地周辺の清掃などが行われているそうで、この池にハクチョウがいない場合は300メートル上流の池にいるとの案内もあった。
北アルプスを背景に入れたハクチョウの姿を撮影しようとこの地に多くのカメラマンが訪れるとのことだ。
車で移動することを前提にすると、白鳥湖と御宝田遊水池は10分ほどで移動できるので、安曇野市にハクチョウを見に行くのならば、どちらも訪れてみるといいかもしれない。
ハクチョウはどこから来てどこに帰るのか?
犀川にやって来るハクチョウたちは「シベリアから10月中旬ごろやって来て、5月初旬ごろには帰る」と前述したが、もう少し詳しく知りたいので調べてみた。
夏の間、高緯度の北極圏ツンドラ地帯で仔育てをした白鳥の家族は成長した若鳥を連れて、秋の深まりとともにシベリアから緯度の低い地方に渡りを始める。ロシア国内での中継地は極東のハンカ湖などが明らかにされている程度である。日本列島沿いに飛来する群れは、電波発信装置とGPSの追跡装置の解析により、サハリンの海岸線を南下し、宗谷海峡を渡ってクッチャロ湖に達するという。ここが日本国内のコハクチョウが集結する中継地となる。ここから寒波の到来と共に南下を続け、本州の越冬地へと散らばる。(赤羽正春『白鳥』法政大学出版局、2012年 より引用)
ざっくりと引用をもとに地図を作ってみたが、すごい距離を渡って来るのだなと改めて思う。
北極圏からロシアを通って、宗谷海峡を渡り北海道のクッチャロ湖に集結。そして、その一部のハクチョウたちが、ここ安曇野市にやって来るのだ。
そして約半年間をこの地で過ごして、また故郷に帰っていく。
人間でも「・・・俺はどこから来てどこに向かうのか?」などと、時に迷ってしまうことがあるものだが、少なくともハクチョウの場合は、どこに向かえばいいかはっきりわかっているわけだ。ちょっと羨ましくもある。
そういえば、今回の取材は「ハクチョウによる導き(信号左折)」から始まったんだっけ・・・
さすが! どこに行けばいいのか今日は迷わなかったよ!
終わりに
“気になる看板”に導かれて、多くのハクチョウたちに出会うことができた。
安曇野の風景の中で越冬する彼らはとても美しくカッコよかった。
なお、観察にあたっての注意を以下に引用しておく。くれぐれも相手が生き物であることを忘れずに素敵な出会いを楽しんでほしい。
・犬の鳴き声や、糞尿の臭いで白鳥が逃げてしまいます。犬の散歩はご遠慮下さい。
・猟銃の音で白鳥が飛び立ってしまいます。狩猟をする方は気をつけてください。
・釣針や釣のおもりで、毎年白鳥が怪我をしています。犀川で釣をする方は、釣針やおもりを川の中に残さないようにご協力ください。
・冬季間(白鳥飛来中)のカヌーはご遠慮ください。
・ドローンを使用しての撮影はご遠慮ください。
(安曇野市ホームページより引用)