長野県麻績村・聖高原の紅葉「善光寺街道」の宿場として栄えた美しい高原の村

北山ダムの紅葉

美しい風景や景観、魅力的なシーンをピックアップして、写真を中心にお伝えする企画『フォトレポ』。今回は、長野県麻績(おみ)村の聖(ひじり)高原の紅葉をレポート。

歴史ある風光明媚な観光地「麻績村」

長野県麻績村は、県の中央部東筑摩郡の北側に位置する自然の美しい村だ。

長野県麻績村の位置

麻績村の歴史は古く、平安時代には東山道支道の駅がおかれた。東山道は大化の改新により設けられた、奈良の都と陸奥(みちのく)の多賀城(宮城県)を結ぶ古道で、その支道が現在の松本市・旧四賀村から分岐。麻績村を通り善光寺平から越後(新潟県)へと北上していた。

当時、このあたりは伊勢神宮の荘園であり、麻績御厨(おみみくりりや)が設けられていた。御厨とは、神に供える食物を供給するための所領のことだ。

江戸時代には天領として、中山道の洗馬宿(長野県塩尻市)から北国街道の丹波島宿(長野県長野市)を繋ぐ善光寺街道(北国西街道)の麻績宿がおかれ、善光寺参りやお伊勢参りに向かう人々のにぎやかな往来があったという。

現在では、長野自動車道の麻績インターチェンジが設置され、聖湖を中心とした一帯は観光地として、スキー場やキャンプ場、別荘地などが整備され多くの観光客を集める。

聖湖とすずらん湖、北山ダムの紅葉

紅葉を目当てに、長野県麻績村の聖高原(ひじりこうげん)を訪れたのは11月上旬のことだ。

聖湖を西側(国道403号線側)の湖畔から望む

湖には青空と白い雲、紅葉が映り込んでいた

聖湖はへら鮒釣りのメッカで、多くの釣り人達が桟橋から釣り糸をたれていた

聖湖には、湖を1周できる遊歩道が整備されている。ぐるりと散策してみた。

湖畔には黄色いカエデや

赤色のカエデが

東側から湖(聖山方面)を望む

聖湖から移動して、すずらん湖に向い山道を登っていく

すずらん湖の湖面は水の動きが少なく、あたりは静寂につつまれていた

湖の周辺には森がありススキ野が広がる

すずらん湖から北山ダムへ。ダム湖の名前は「かたくりの湖」

ダムの上から、40m下の宮川の流れを望む

終わりに

聖湖の別名は猿ヶ馬場池(さるがばんばいけ)で、その名は湖の近くにある善光寺街道で最大の難所・猿ヶ馬場峠に由来する

かつて、松本方面から善光寺を目指した旅人は、この難所を越えると現れる姨捨からの善光寺平の眺望を、喜びをもって眺めたに違いない。

日本三大車窓のひとつに数えられる、JR姨捨駅から見る善光寺平

アクセス

  • 聖湖
    公共交通機関:JR篠ノ井線・聖高原駅から麻績村コミュニティバス(聖高原線)で約20分。バス停「聖湖」で下車
    車:長野自動車道・麻績ICから約11分
  • すずらん湖
    公共交通機関:JR篠ノ井線・聖高原駅から麻績村コミュニティバス(聖高原線)で約20分。バス停「聖湖」で下車、徒歩約60分
    車:長野自動車道・麻績ICから約23分
  • 北山ダム
    公共交通機関:JR篠ノ井線・聖高原駅から麻績村コミュニティバス(聖高原線)で約20分。バス停「聖湖」で下車、徒歩約65分
    車:長野自動車道・麻績ICから約26分

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