ゆううつな梅雨の季節に広がる鮮やかな色彩!長野県中野市「釜上地蔵」の紫陽花(あじさい)

山の斜面の濃い緑色の中に映えるワイルドなあじさいたち

美しい風景や景観、魅力的なシーンをピックアップして、写真を中心にお伝えする企画『フォトレポ』。今回は、長野県中野市「釜上地蔵」の紫陽花(あじさい)をレポート。

曇ったり雨が降ったりばかりで・・・

梅雨が終わらない・・・いいかげんに曇り空にもウンザリしてきた。

もちろん言うまでもないことだけど、四季の移ろいは素晴らしい。変化していく気候は美しい風景を生み出し、そんな環境があるからこそ生き物たちも躍動できるのだ。

空を眺めれば太陽の光と多彩な雲が織りなす光景があり、夜になれば季節の星空だって眺めることができる。そう! この世はまさに『ワンダフル・ワールド』だ。

でもさー、ここのところあまりに長らくスッキリしない天気が続き・・・いいかげんに飽きてきたよ。そりゃあ梅雨も四季には欠かせないけどさー。でも、でも・・・(人間とは常に無いものねだりである)

そんなゆううつな気分を抱えたまま車を走らせ、カーブを曲がったところで目に飛び込んできたのは・・・

どーん!鮮やかな青色のあじさい!

猛々しい緑色の中で可憐なその姿が浮き立つ

現金なもので、知らなかった場所で見つけた美しいあじさいに心を奪われた途端に、「うむ! やはり梅雨もいいものだ」とすぐに考えを改めるのであった。

あじさいを見つけた場所は「釜上地蔵」

釜上地蔵は、長野県中野市の長野県道358号・中野小布施線沿いに鎮座する。中野市と小布施町の市町境付近の山の斜面にあり、あたりにはあじさいの花々が広がっていた。

青色のあじさいがワイルドに咲き誇る

開きはじめた若い花や、紫色、濃い青色のあじさいたちの宴

苔むす石灯籠が立つ釜上地蔵

小さなお堂に地蔵尊が祀られている

いわれが書かれた看板があった

解説を要約すると、釜上地蔵は高さ105cmの石造りの地蔵尊で、中野市の有形民俗文化財に指定されている。作られた年代や意図など正確なことは不明だが、コレラなどの伝染病の犠牲者を供養するために祀った地蔵尊であると、地元では伝わっているそうだ。

この地蔵尊への信仰は現在も地域に根付いており、毎年9月24日の縁日には大勢の参拝客で賑わうということだ。

このあじさいたちも、きっと地域の人たちによって手入れされているのだろう

山の斜面に咲くあじさいは、とても立体的に見える

梅雨時の曇った天気だからこそ、あじさいに柔らかな光が入る

山の緑の中で咲くたくましいあじさいたち

終わりに

出会いはいつでも突然で・・・そして美しい存在は見たものの気持ちを高揚させる。たとえゆううつな気分であってもね。

しっとりと落ち着いた雰囲気も梅雨ならではだよね!

アクセス

  • 釜上地蔵
    住所:長野県中野市桜沢1212
    最寄駅:長野電鉄・長野線 桜沢駅から徒歩で約25分
    アクセス:上信越自動車道 信州中野ICから車で約20分
    駐車場:なし
    問い合わせ:中野市役所文化財係
    電話番号:0269-22-2111