つけめんの並盛りを堪能!
平日の昼時ということもあるのか、男性の1人客または同じ職場のグループだと思われるお客さんが多い印象だ。カウンターのとなりに座ったお兄さんは、つけめんの中盛りを食べていたが・・・すごい量だった。1.5玉だから330gの麺か・・・
5〜6分ほど経っただろうか・・・「お待ちどうさま!」と、元気なおばちゃんが注文した品を運んできてくれた。
しかし、これだけの極太のちぢれ麺ってはじめてかも・・・では、いただきます!
麺には、ものすごくコシがある。なおかつツルツルなので、口の中にどんどん入っていくが・・・かなりかみ応えがあり、麺をかみ切ると口の中に小麦の香りがほのかに漂う。これは文句なくおいしい麺だ!
そして、極太のちぢれ麺は、容赦なくつけ汁をリフトアップして口の中に流し込む。うーん。つけ汁と麺の素敵なマリアージュ。
つけ汁は濃いめのかえしが効いた醤油味で、酸味をかなり強く感じる。唐辛子の辛味もほどよく効いたあっさりかつシンプルな味。これぞ“昭和の正統派つけ麺”の付け汁だ。
つけめんのつけ汁に入る具材が短冊状なのは、麺とつけ汁、具材を渾然一体化するためであり(冷やし中華と同じ理屈)丸長や大勝軒系列のつけ麺ではスタンダードな切り方だ。
麺とつけ汁だけでもうまいのに、その中にさまざまな具材が違和感なく混ざることによって、味の組み合わせが無限に広がっていくというわけだ。
しかし、このお店で最もすばらしいのは麺だと筆者は感じた。ここまで美味しく特徴的な麺とはそうそう出会えない・・・ずるずると、飽きること無く食べ進めてあっという間に並盛(1玉約220g)の麺は、終わりにさしかかる・・・「もっと食べたい。中盛りにすればよかった」という後悔の念が頭をよぎる。
いつもなら筆者はこの時点で“スープ割り”をする(※残ったつけ汁に熱いスープを加えること・・・しかし、考えてみるとこの作法も、最後にそば湯を飲むことからヒントを得たのでは?)
そして、残りの麺をスープ割りしたつけ汁に全投入し“シメのラーメン”のごとく食べるのが流儀だが・・・このお店ではスープ割りはやっていない。でも、そのことを不満かと問われれば、特にそんなこともなかった。
しかし、この麺はヤバい。うますぎでしょ。次回は絶対中盛りで喰う!
というわけで、ごちそうさまでした!
まとめ・・・そしてまさかの展開へ!
何も知らずに出かけた丸長須坂店だったが、お店の方とお話ししたことがきっかけとなり、期せずしてつけ麺の歴史と信州の関係について深掘りすることとなった。
前述したが、丸長は「荻窪ラーメン」の元祖としても知られており、そしていわゆる“3大荻窪ラーメン”の丸長、丸信(※屋号の由来は、信州の“信”)、春木屋の創業はすべて長野県出身者によるものだ。
そんな偉大な歴史を知らなかったことをちょっと恥じつつ、機会があったら荻窪で聖地巡礼してみようかな? などと思いながらお店をあとにした。
・・・と本来ならここで記事は終わるはずだったが、後日、丸長須坂店の始祖にあたる「中華そば店丸長」すなわち「丸長荻窪本店」を訪れる機会を得た。
というわけで、ここからは『聖地巡礼編』として記事を続けたい。