豊島屋資料館でかつての岡谷に思いを馳せる
写真に写るENEOSのガソリンスタンドだが、実はこちらも豊島屋の経営とのこと。同社は清酒部門以外に、エネルギー関連や自動車関連の事業も手がけており、いわば地元の“総合商社的”企業だ。そして、その資料館の入り口には・・・
展示物は、清酒と石油に関するものが多くを占めるが、かつて製造販売を行っていたという、味噌や醤油に関連するもの、そして歴代の経営者たちによる美術品のコレクションなども展示されている。
右側の図版をよく見てみると、当時の時代背景がわかって面白い。
砲弾のそばに立つのは、日本の帝国軍人と日本赤十字社の看護師。砲弾の下にはロシア軍人(?)が。
そして、砲弾の中には「醤油、味噌、酢、清酒醸造、石油、食塩卸商(※句読点は筆者)」とある。この広告からも豊島屋が生活必需品を一手に扱っていたことをうかがい知ることができる。
七福神が楽しそうにお酒を酌み交わす絵の下には、豊島屋のかつての酒の銘柄だろうか「商標 豊島正宗」の文字が。
左側上部の文字は「銘酒豊島正宗 醤油酢味噌醸造元」「石油機械油種油卸商」「塩元売捌所」とあり、下部に「信州岡谷駅 豊島屋本店」さらに「辰野支店」「塩尻支店」とある。
当時の広告を見ても、かなり手広く商売をやっていたことがわかる。
甲冑のコレクションについてスタッフの方にお伺いすると、明治時代に入って日本の西洋化にともない、伝統的な日本の文化財が海外へ散逸をしていったが、これを少しでも食い止めようと当時の豊島屋の当主が収集したものとのこと。
うーむ。すごいなぁ・・・やはりこの時代の岡谷は“シルク岡谷”と言われただけあり、絹産業で相当潤っていたのだろう。
見どころ満載の豊島屋資料館を堪能させて頂いた。さて、酒蔵開きの会場へ行こう!