ぽっかぽかの日曜日。川の土手を自転車で走っていた。
場所は、長野県長野市を流れる裾花(すそばな)川。その堤防道路では、運動部の学生たちがランニングをしたり、犬を連れた人たちが散歩を楽しんでいる。
極めてのどかである。しかし、天気のいい日に“ぽやん”と何も考えずに、水の流れを眺めつつ川沿いを行くのはとても気分がいいものだ。
裾花川は長野市・旧戸隠村にある日本百名山のひとつ高妻山を源流とし、善光寺平(長野盆地)に至る川で、長野市街地では「県庁通り」と平行して南下。丹波島橋付近で犀川と合流する。
地図を見るとわかるが、裾花川は県庁のすぐそばでその流れを南へと変える。
これは、江戸時代に行われた治水工事によるもので、実はもともと、裾花川は県庁から東に向けて流れていた。県庁付近から新田町、七瀬、高田、風間、長池あたりを抜け屋島一帯で千曲川に合流していたそうだ(参照:北陸建設弘済会『千曲川の今昔』)
ざっくりと、GoogleMap上でその地名を繋いでみると、今の姿との違いがわかり面白い(昔のままだったら長野駅と善光寺の間には川が存在していたことになる)。実際には旧流路は1本の川ではなく扇状に広がっていたとのことで、その一部は「善光寺用水」として転用されたそうだ。
そして、その名残は現在でも地名として残っている。
ちなみに長野市七瀬の地名は、そこで裾花川がいくつもに分流していたからであり、大豆島は裾花川と犀川のあいだにあったことからの名という。(長野県土地改良史編集委員会『長野県土地改良史』長野県土地改良事業団体連合会、1999年より引用)
裾花川を沿いを行く
天気がいいのでふらふらと出かけてきたが、一応目的がある。実はこの川沿いを北上していくと“いい感じ”のラーメン店があると知人に教えてもらったのだ。
この場合の“いい感じ”とは、お店に個性があって、気取っておらず、質実剛健。近隣に住む人からこよなく愛されるような店のことだ。
というわけで、河口から裾花川をたどりつつ行ってみることにする。
「裾花川ウォーキングロード」とは、堤防と川の間に作られた歩行者専用道路で、地元の工業高校の土木課の生徒たちも、その設置に関わっているそうだ。ちなみに雨が降ったら立ち入り禁止となる。
歩行者専用道路なので自転車では通れないが、地元の人のいいお散歩コースなんだろうな。
この場所は県庁から距離にして100mほどの場所なのだが・・・ちょっとそう見えない・・・よね?(自然が豊かすぎ)。全国的にもこれだけ山(旭山)と川のすぐ近くに立地する県庁は珍しいのではないだろうか?
ちなみにここまで、こんな感じにたどってきた。
さて、ここから裾花川と県庁の間にある道に入る。すでにお腹はペコペコだ。