イントロダクション・夜の山道にて
ハードな1日だった。丸太ん棒みたいに横になりたい。
そんな、昔の歌を口ずさみつつ、すでに真っ暗になってしまった夜の山道をひたすら車で走っていた。ちなみに目的地まではあと数時間はかかる見込みだ。
そう。確かにハードな1日だったのだ。ちょっとしたトラブルもあり予定が大幅に狂った。しかも猛烈に腹が減っている。当然だ・・・本来ならとっくに到着している時刻なのだから。
しかし、道をいくら進んでもコンビニはおろか自販機すら見かけない・・・どうやら、今日はすべてが完全に食い違ってしまっているようだ。しかたなく道路脇に車を停め、かろうじて電波が届いているスマートフォンで検索してみると、どうやらこの道を進む限りこの先には何もないらしい・・・
つまり、いったんこの尾根沿いの道を離れなければ、何も食べることができないわけだ・・・さて、どうしよう?
山を下れば20kmほど先に街がある。往復で約40kmだ。というわけで、さらに大幅に時間をロスすることになるが・・・よし! と覚悟を決めて、空腹を満たすために進路を変更して坂道を下っていった。
長野県伊那市のご当地メニュー「ソースカツ丼」
長野県伊那市といえば、隣接する駒ヶ根市とともに、ご当地グルメのソースカツ丼が有名な街だ。
長野県でもっともポピュラーなタイプのカツ丼、すなわち白いご飯の上にシャキシャキのキャベツの千切りを敷き詰め、ソースに潜らせたカツが載るタイプのソースカツ丼を提供するお店が、市内には数多く存在する。
そうだ! せっかくわざわざ山を下ってきたわけだし・・・ここはひとつガッツリとソースカツ丼を頂くことにしよう。
つまり飲食店の「たけだ」は、お店の看板にも書かれていたとおり精肉店が直営するお店なのだ。ソースカツ丼の他にもさまざまな肉料理を提供しており、宴会などにも対応しているということだ。
玄関を入ると、お店の方が「いらっしゃいませ!」とにこやかに迎えてくれる。平日の夜ということもあってか、すんなりとお店に入ることができた。
そして、焼肉用のロースターが設置された小上がり席に案内してくれた。
メニューを見ると、そこには実にさまざまな肉料理が掲載されていた。
うーむ。悩む・・・ソースカツ丼を注文することはすでに決めているので、その中でのチョイスをどうするか? ということなのだが・・・
写真を見ると、カツがものすごい厚切りであることがわかる。腹もまたものすごく減ってはいるものの・・・食べきれるだろうか?
カツ丼のスペックの違いを理解するために、メニューを熟読しつつお店の方にもいろいろと質問してみた。以下にまとめると、
- ジャンボソースカツ丼(信州SPF豚・肉はサーロインとリブロースから選択可能・250g)1,930円
- お得ソースカツ丼(信州SPF豚・リブロース・200g)1,590円
- ミニソースカツ丼(信州SPF豚・リブロース・100g)990円
- ソースヒレカツ丼(長野県産豚・ヒレ・130g)※ カツの“揚げ方”を、肉をひと口大に切って揚げる「昔揚げ」と、まるごと揚げてから切る「一本揚げ」から選択可能
- 得得ソースカツ丼(外国産豚・ロース・200g)1,050円
というラインアップであることが判明した。
ちなみに、「信州SPF豚」とは長野県のブランド豚で、徹底した衛生管理の中で育てられた発育や肉質に悪影響を与える病原菌を持たない、安全でおいしい豚肉とのこと。
ならば、このお店で外国産の豚肉を選ぶのはちょっと違うよなぁとは思うけど、お値段もなかなかの設定だし、食べきれるサイズも考慮しなければ・・・と、いろいろ悩む。
結局「お得ソースカツ丼(信州SPF豚・リブロース・200g・1,590円)」に決めた。ちなみに、これまでに食べたカツ丼の中で、もっとも高価な一品だ。ゆえに期待値も否応なく上がる。