芭蕉や広重も愛でた月!?長野県千曲市の“月の名に立つ姨捨山”で「皆既月食」が見たい!

 “ぽこっと”出てくる月を見たい!

昼間、姨捨駅で待合室にいた地元の方と少し話した。

棚田を耕し、イベントなどにも積極的に参加してこの地を盛り上げているという女性だったが、「ここは月の名所ですよね?」と聞くと、面白いことを話してくれた。

「ここの月はね、向こうの山から突然“ぽこっと”出るよ。ほんとに急に出てくるの」。

というわけで、“ぽこっと”出るという月が見たくて、皆既月食が始まる随分前から、月の出を待った。そして・・・

おお!

“ぽこっと”出てきた!(気がする・・・)。

やはり山があるからそのように錯覚するのだろうか? しかし、広重の浮世絵にも山は描かれており、稜線の上に浮かぶ月の姿は“月の名に立つ姨捨山”にとって重要な要素なのかもしれない。

姨捨駅でも月が“ぽこっ”と浮かんでる(ように見える)

いよいよ“皆既月食”タイム

やがて、あたりは暗くなっていき、街の明かりが灯り始める。

月と棚田と街

しかし、満月って明るい。街の光と比べるとその明るさがよくわかる

そして月が欠け始める

あれだけ明るかった月の光は半減

三日月みたいになっちゃった。カメラの露出を変えると・・・

“地球に隠された部分”が浮かび上がる

そして皆既へ。赤銅色のお月さま

月の光が弱まり星が見えてくる(雲も出てきたが・・・)

10円玉みたいな月が姨捨に輝く

終わりに

この後、空が曇って月が見えなくなってしまったのでこれにて取材は終了。

今回、皆既月食をきっかけとして姨捨をいろいろと見て回ったが、本当に風光明媚な場所だ。

棚田に水が張られ、稲が青々と育ち、そして黄金色に染まる収穫時。それぞれの風景もきっと素晴らしいに違いない。

しかし、一番見てみたいのはやはり「田毎の月」だ。田んぼに映るたくさんの月を見なくては! その頃にまたこの地を訪れたいと思った。

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