
ソースカツと卵とじカツの不思議なマリアージュ♪
ソースにするのか卵とじにするのか・・・それが問題だ。もちろんカツ丼のことである。
揚げたてのトンカツを、その店独自のソースにさっと潜らせ、ホカホカのご飯に敷き詰めた千切りキャベツの上に配置。これぞ信州のソウルフード・ソースカツ丼!・・・そそるぜ。
一方、揚げたてのトンカツをタマネギとともに煮ただし汁へ投入! さっと卵でとじて、だし汁もろともオン・ザ・ライス。ご存じ全国的にも主流である卵とじカツ丼!・・・まさに英知だ。
カツ丼を食べようと思ったときに、必ず陥るラビリンス「ソース or 卵とじ」問題・・・いったいどちらを選択すべきなのか? やはり、何かを得るためには何かを失わなければならないのか・・・そんな哲学的ともいえる問いかけを強いるゆゆしき問題である。
この困難な問いかけに「だったら、ソースカツを卵とじにすればいいんじゃね?」という発想で正面突破したカツ丼が、以前お伝えした長野県山ノ内町「松美食堂」のカツ丼だ。

しかし、今回とある情報筋から松美食堂とは異なった方法で「ソース or 卵とじ」問題を解決した画期的なお店が存在するという情報を入手。というわけで、さっそく現地へと向かった。
多彩なメニューがラインアップするお食事処
お目当てのお店は、長野県伊那市にある「信濃路」だ。中央自動車道・伊那インターのほど近くに立地する。伊那市といえば、隣接する自治体である駒ヶ根市とともに“ソースカツ丼の町”としても有名だ。

信濃路は信州大学・伊那キャンパスからもほど近い場所にある

「お食事処 信濃路」と書かれた渋い看板。赤字で「名物ジャンボカツ丼」とあるが・・・ジャンボ?

お店の外観は、屋根が張り出したちょっと変わったつくり

その張り出した屋根の脇にお店の入り口がある

エントランスには「本日の日替わりランチ」と書かれたボードがあった。きっと常連さんが多いお店なのだろう

店内にはカウンター席とテーブル席があり

畳敷きの和室もある。結構広いお店だ

お客さんが店員さんを相手に和気あいあいと世間話をしていた
筆者が訪問したのは、平日のお昼過ぎ。店内には職人さんと思われる男性のグループ客や、学生風の若い男性、年配のご夫婦などが来店していた。

厨房では、男性の店主が調理を担当。3人の女性店員さんがそのサポートと配膳を行っていた
カウンター席に着つくと、お店の方がすぐに「いらっしゃいませ!」と明るい感じでお冷やを運んできてくれた。
さて! メニューを見てみよう・・・なるほど。カツ丼がメインと思いきや、実にさまざまな料理を提供しているようだ。看板にも“お食事処”とあったが、まさに町の食堂といった感じだ。

メニューの冒頭には丼ものの写真が並ぶ
信濃路では、「卵とじカツ丼=カツ丼」と表記することで、ソースカツ丼と区別しているようだ。そして、それぞれにチキンカツ丼があるのも珍しい。
また、親子丼や、焼肉丼、麻婆豆腐丼、エビ重といったメニューもあり、丼物のバラエティもかなり豊富だ。
で・・・これか!?「ソース or 卵とじ」問題を解決するメニューとは! それは「ハーフ丼」と名付けられたカテゴリーに属していた。
ハーフ丼
2種類の丼が一度に食べられる!!
迷っている人にもオススメの、とってもお得な丼です。
なるほど! ソースカツと卵とじカツを一つの丼に盛りつけるというわけか! 確かにこうした手法はありそうで無かったのではないだろうか。
で、どうしても気になったのが・・・

ジャンボカツ丼(1,300円<ハーフ丼1,400円>)。そういえば看板に“名物”と書かれていた
ジャンボカツ丼
普通のカツ丼に比べてご飯は3倍(約3合)カツは2倍(150g×2枚)!
信濃路名物にチャレンジしてみる!?・1人前を2人で召しあがる場合は味噌汁など、人数分の注文をお願いします。
・1時間以内に完食できない方はお持ち帰り下さい。
なるほど・・・ふと、同じカウンターにいた学生風の男性客を見ると・・・おお! ジャンボカツ丼を食べている。しかし、半分ほど攻略したところで限界に達したらしく、持ち帰り用の容器をお店の方にお願いしていた。
すり鉢のような大きさの丼で提供されていたジャンボカツ丼・・・すげえ。そのインパクトに衝撃を受けつつも、メニューをさらに読み進めていく。

カレーや、ご飯もの、麺類や

多彩な定食たち(鍋定食なんてのもある)

おつまみ類も豊富にラインアップしていた