公衆トイレが気になる・・・こう書くちょっとアレだが、筆者が注目したのは“公衆トイレの名前”についてだ。例えばコレ↓
このトイレをはじめて見かけた時は、ちょっと衝撃を受けた。しかし、注意深く観察していると“名前を持つ公衆トイレ”は、長野県長野市のさまざまな場所に存在することがわかってきた。
興味深く感じたため、それからはそんな公衆トイレを発見する度に写真を撮影することにした。
また、写真撮影=コレクションをはじめてから気がついたことだが、長野市のすべての公衆トイレに名前が付けられているわけでもないらしい・・・
いったいどのような基準や理由で名前が与えられるのか? その条件は不明だが、これまで撮りためたコレクションを整理しつつ、トイレの名前について考察してみることにした。
恐竜のみち(長野市篠ノ井)
恐竜のみちは、JR東日本の信越本線と篠ノ井線、しなの鉄道のしなの鉄道線が乗り入れる篠ノ井駅の西口にある。
このトイレの名前・・・土地勘がない方にとってはまったく意味不明だろう。名前の由来は、篠ノ井駅が最寄り駅となる「長野市茶臼山恐竜公園」にあると推測した。トイレのある西口からは公園に向かうバスも発着している。つまり「篠ノ井駅西口=恐竜の(への)みち」というわけだ。
- 恐竜のみち
住所:長野県長野市篠ノ井布施五明279-12
通い路(長野市篠ノ井)
通い路は、長野市篠ノ井の御幣川地区にある。近くには、映画『前田建設ファンタジー営業部(※)』に協力した企業としても知られる前田製作所の本社が立地し、すぐ近くには旧北国街道が通る。
「通い路=かよいじ」・・・トイレの名前だけにお尻のことを連想してしまいそうになるが、その名の由来は、トイレに隣接する長野市立通明小学校の“通学路”に立地することにあるのではないだろうか?
- 通い路
住所:長野県長野市篠ノ井御幣川1189
カチューシャのふる里(長野市篠ノ井)
カチューシャのふる里が立地するのは、上信越自動車道・松代パーキング付近の千曲川沿いの緑地だ。
調べてみると、松代パーキングに隣接する松代町清野地区は、明治時代末から大正時代にかけて活躍した女優・歌手である松井須磨子(まつい・すまこ)の出身地であることが判明した。そして、当時流行した歌謡曲で短編映画にもなった『カチューシャの唄』を主演女優として唄ったとのこと。
つまり、「松井須磨子のふる里=カチューシャのふる里」ということでこの名前が付けられたのではないだろうか。カチューシャかわいや〜♪
- カチューシャのふる里
住所:長野県長野市篠ノ井東福寺3475
松代駅前公衆トイレ(長野市松代町)
「これはわかりやすい名前! つまり駅前のトイレでしょ?」と思うことだろう。実際にその通りだ。しかし、今後はちょっとややこしくなる可能性も潜んでいる。
実は長野県千曲市の屋代駅から、松代駅を経由し長野県須坂市の須坂駅を結んでいた長野電鉄屋代線は、経営悪化によって2012(平成24)年に廃線となったのだ。それに伴い、トイレの名前の根拠でもある松代駅も廃止されてしまった。だから正確には、現在ではこの場所は“駅前”ではないのだ。
- 松代駅前公衆トイレ
住所:長野県長野市松代町松代70-2
縁泉苑(長野市松代町)
緑泉苑が立地するのは、旧松代藩主真田氏・真田邸の跡地を公園化した真田公園だ。
ちょっと考えてみたが、ここはこれまで考察してきたトイレと異なり、名前には地理的・歴史的な意味合いは含まれていないのではないだろうか?「公園=緑・苑(庭園)+泉=水が湧き出る場所=トイレ」というようなネーミングだと推測する。
- 縁泉苑
住所:長野県長野市松代町松代4-1
[…] 前編からの続き。 […]