「駒ヶ根ソースかつ丼」って何?
注文を決めてしまったことを自分に納得させてから、改めてテーブルの上を見てみると・・・
オリジナルのたれなのか?
お店にあるマガジンラックには、駒ヶ根市の観光案内のパンフレットなどが置かれている。中でも気になったのがこれだ。
なるほど。ラーメン店や、居酒屋、浴場、高速道路のパーキングエリア、ホテルなどでも「駒ヶ根ソースかつ丼」を食べることができるようだ。
しかし、「駒ヶ根ソースかつ丼」とはなんなのだろう? ソースかつ丼という名前の前につけられた「駒ヶ根」に込められた特別な意味はあるのだろうか?
あとで調べたのだが、この地図を作った駒ヶ根商工会議所のホームページからは「駒ヶ根ソースかつ丼 公式サイト」へのリンクが貼られている。
「駒ヶ根ソースかつ丼 公式サイト」には「お客様のための駒ヶ根ソースかつ丼規定」なるものが掲載されていた。以下に引用してみたい。
- 其の一 器は丼に限定する。
- 其の二 ソースかつ丼の肉は豚肉のロースを基本とし、120グラム以上とする。
- 其の三 かつはパン粉を付けて揚げたものでなければならない。
- 其の四 キャベツは細かく切って水に浸してから水分を切って丼の飯の上に載せる
- 其の五 かつを揚げる油については油脂は自由としても良いが、揚げかすは必ず取り、汚れた油では揚げない
- 其の六 ソースはソースかつ丼会で作ったものを最低基準とし、これに工夫することが望ましい。
- 其の七 かつを揚げてソースを潜らせる時、ソースも温めておき、揚げたてのかつをそのままソースに潜らせて切って飯に載せても、切ってからソースに潜らせて飯の上に載せても自由とする。
- 其の八 海苔等はソースかつ丼に載せない。また、キャベツ以外の野菜は載せない
- 其の九 蓋は自由とする。
(「駒ヶ根ソースかつ丼 公式サイト<お客様のための駒ヶ根ソースかつ丼規定>」 より引用)
愛だ! 愛でしょこれ? なるほど。全然知らなかった。
こうした規定を定めることで、ブランドとしてのクオリティーを担保しているのだろう。
「ソースかつ丼ロース」を喰らう!
そうこうしているうちに・・・
ふむ。「いな垣」では、前述の規定“其の九”に乗っ取って“蓋”をすることを選択したようだ。
では参るぞ! 蓋を取らせていただく。
蓋を取った瞬間に立ち上がる湯気と、かすかに甘いソースの匂いが鼻をくすぐる。と、その匂いは同時に大脳に届き猛烈に腹が減っていたことを否応無く思い出させる。
ソースは自家製。“其の六”の「(ソース)これに工夫することがが望ましい」を実践しているわけだ。すげえ!
うん。うまい!
ソースはかなりスッキリとしており甘口。醤油の味がほのかに感じられる。ロースカツは柔らかくじゅうぶんな食べ応えで、肉と衣が完全に一体化。離れ離れになるなんて微塵も感じさせない。
そして、丼に蓋をしたおかげなのか、千切りキャベツがカツとごはんの熱による湯気を纏っており、そのシャキシャキ感が絶妙に制御され、そのことによりカツ、ソース、千切りキャベツ、ごはんが口の中で完全に「渾然一体=四味一体」化する。つまり全部が混ざり合う。
うめえ!
ソースかつ丼というと、一般的には「デカ盛り」であることが評価の1つの指標になる場合が多いと思う。
しかし、「いな垣」のそれは方向性が完全に異なる。あくまでも「四味一体」のバランス重視。なのでは? と推測するのみだが、大きく見える丼も食べ進めるとわかるが適度なサイズ。そう!「食べ切ってしまうのが惜しい!」と思うくらいが“ちょうどいい”のではないだろうか?
はっ!・・・と、今書いてて思ったけど、もしかして“ちょうどいい”のは「そばも一緒に食べてね!」ってことだったのでは・・・わー、ごめんなさい。
とても美味しく完食しました。ふー。次は・・・次こそはそばかうどんとセットで!
店舗情報
- 店名:茶そば いな垣
- 住所:長野県駒ヶ根市赤須町18-11
- 電話番号:0265-83-8080
- 営業時間:11:00〜20:00
- 定休日:毎週火曜日・第3月曜日
- アクセス:中央自動車道 駒ヶ根ICから10分
- 最寄駅:JR飯田線 小町屋駅から徒歩5分
- 駐車場:15台