「七笑」の看板を探せ! 長野県の全域に設置されているって本当なの!? その2

【岐阜県】中津川市(旧長野県山口村)馬籠宿の酒屋さんの七笑

古き良き街並みが残る馬籠宿

岐阜県中津川市(旧長野県木曽郡山口村)にある馬籠宿は、木曽路にある11の宿場の最南端に位置する。詩人・小説家である島崎藤村の出身地であり、島崎家は古くから馬籠宿の本陣や庄屋を務めた由緒ある家柄だ。

酒屋さんには当然のように七笑看板が!

馬籠宿の街並みと調和した酒屋さんを発見。七笑看板と街並みがフォトジェニックだったのでパチリ(・・・これもコレクションに加えるか否か迷う)。

馬籠宿の南端には「是より北 木曽路」の石碑がある。そして、長野県塩尻市の贄川宿の北端には「是より南 木曽路」の石碑が現在でも残っている。

木曽路の11の宿場=“木曽11宿”について
←江戸方面(是より南 木曽路)贄川宿・奈良井宿・薮原宿・宮ノ越宿・福島宿・上松宿・須原宿・野尻宿・三留野宿・妻籠宿・馬籠宿(是より北 木曽路)京都方面→
  • 中津川市(旧長野県山口村)馬籠宿の酒屋さんの「七笑」
    岐阜県中津川市馬籠4332-1
    看板の特徴:酒屋看板
    キャッチ:木曽の銘酒
    七笑いのルビ:ななわらい

【長野県南部】阿智村清内路・国道256号線沿いの七笑

木曽谷から伊那谷へ抜けたところに木曽の酒

岐阜県中津川市から長野県飯田市方面=伊那谷へと向かうのなら、中央自動車道の恵那山トンネルを通るのが早くて便利だ。しかし、あえて長野県木曽郡南木曽町と下伊那郡阿智村を結ぶ国道256号線を選択した。木曽谷と伊那谷を隔てる清内路峠を貫くトンネル抜けると、伊那谷にもまた木曽の酒の看板を発見! 付近の交通量は3,231台だ。

  • 阿智村清内路・国道256号線沿いの「七笑」
    長野県下伊那郡阿智村清内路上清内路
    看板の特徴:徳利のデザイン、縦型看板
    キャッチ:木曽の酒
    七笑いのルビ:なゝわらい

【長野県南部】阿智村・国道153号線沿いの七笑

珍しい“細長い”徳利デザインの七笑

国道256号線をさらに進むと、国道153号線との重複区間に入る。そして、“長細い”徳利タイプの七笑看板を発見した。付近の交通量は10,056台だ。

長野県下伊那群阿智村は“星空の村”として全国的に知られるようになった。これは、2006(平成18)年に実施された、環境省による「全国星空継続観察」において、416の参加団体中もっとも夜空が暗いとされたことが由来だ。今では全国から多くのお客さんが「日本一の星空ナイトツアー」に参加するためにこの地を訪れる。

  • 阿智村・国道153号線沿いの「七笑」
    長野県下伊那郡阿智村春日中関
    看板の特徴:徳利のデザイン、縦型看板(細長)
    キャッチ:木曽の酒
    七笑いのルビ:なゝわらい

【長野県南部】中川村・国道153号線沿いの七笑

使い込まれた洗いざらし(?)の七笑看板

国道153号線を天竜川とともに北上していくと、伊那谷は下伊那郡を抜け上伊那郡へ。長野県上伊那郡中川村の国道153号線沿いに、いい感じに使い込まれた七笑看板を発見! 付近の交通量は5,816台だ。

こうした状態の看板は珍しいが(前回発見した、伊那市・伊那中部広域農道の「七笑」も使い込まれた看板だった)、そもそも、デザインの違いや個体差などを楽しむための“七笑看板コレクション”でもあるので、特徴的な看板と出会えるのは素直に嬉しい。

  • 中川村・国道153号線沿いの「七笑」
    長野県上伊那郡中川村片桐
    看板の特徴:盃のデザイン、横型看板
    キャッチ:木曽の銘酒
    七笑いのルビ:なゝわらい

終わりに

というわけで、今回は合計14の七笑看板を発見することができた。前回の記事で見つけた看板と合わせて、これまでコレクションした七笑たちを地図にまとめてみた。

(なお、地図と分析では「馬籠峠を越えるおんたけ交通の七笑」と、「中津川市(旧長野県山口村)馬籠宿の酒屋さんの七笑」を除外した。悩んだけど・・・)

地図を見ると、改めて長野県の広範囲に七笑看板が存在していることがわかる。では、これまで(前回と今回)コレクションした七笑たちを簡単に分析してみよう。

看板のキャッチについて
うまい酒 1(前回)+1(今回)=2
木曽の銘酒 7(前回)+7(今回)=14
木曽の酒 3(前回)+4(今回)=7

「うまい酒」が使われてるのは「巨大看板・盃」だけだ(今回の「松本駅前・ビルの屋上の七笑」と前回の「長野市丹波島橋の七笑」)。キャッチとしては「木曽の銘酒」がスタンダードであり、「木曽の酒」は古いタイプ看板に利用されていると推察する。

七笑のルビについて
ななわらい 2(前回)+3(今回)=5
なゝわらい 8(前回)+9(今回)=17
判別不能 1(前回)+0(今回)=1

「なゝわらい」が圧倒的に多く使われているが、新しく設置されたと思われる看板では「ななわらい」を使用しているように感じた。

看板の形・デザイン
巨大看板・盃 1(前回)+1(今回)=2
横型・盃 7(前回)+7(今回)=14
縦型・徳利 2(前回)+3(今回)=5
縦型・軍配 1(前回)+0(今回)=1
分離型・盃 0(前回)+1(今回)=1

「横型・盃」が現在の標準的なデザインであり、「縦型・徳利」が古いデザインだと推察。「巨大看板・盃」は、多くの人に見てもらえる場所にのみ設置されているようだ。今回発見した「分離型・盃」は、前回見つけた「縦型・軍配」に匹敵するレアな看板だ。

設置されている道路
国道 9(前回)+9(今回)=18
県道 1(前回)+3(今回)=4
広域農道 1(前回)+0(今回)=1

長野県内の幹線道路、特に国道を中心に設置されていることがわかる。今回のコレクションが加わることでよりその傾向が鮮明となった。

交通量ランキング
1位 長野市丹波島橋の「七笑」 37,272台
2位 松本駅前・ビルの屋上の「七笑」7,945台+(松本駅の利用者数16,597人)=24,542
3位 松本市・南和田交差点の「七笑」 23,622台
4位 長野オリンピックスタジアムの「七笑」 10,954台
5位 塩尻市・中山道と善光寺街道の分岐点近くに立つ「七笑」 10,942台
6位 塩尻市・旧中山道塩尻宿近くの「七笑」 10,280台
7位 阿智村・国道153号線沿いの「七笑」 10,056台
8位 蓼科町・国道142号線の「七笑」 9,905台
9位 木曽町・国道19号線、相撲場近くの「七笑」 9,903台
10位 松本市・国道143号線の「七笑」 9,067台
11位 安曇野市明科・国道19号線の「七笑」 8,805台
12位 上松町・国道19号線沿いの「七笑」 8,517台
13位 大桑村・国道19号線沿いの「七笑」 8,517台
14位 富士見町・国道20号線ヘアピンカーブの「七笑」 8,373台
15位 富士見町・八ヶ岳を望む「七笑」 5,847台
16位 辰野町・国道153号線“大八まわり”近くの「七笑」 8,143台
17位 中川村・国道153号線沿いの「七笑」 5,816台
18位 木祖村・国道19号線沿いの「七笑」 5,614台
19位 伊那市・伊那中部広域農道の「七笑」 3,921台
20位 駒ヶ根市・中央道駒ヶ根インター近くの「七笑」 3,648台
21位 阿智村清内路・国道256号線沿いの「七笑」 3,231台
22位 木曽町・中山道、出尻一里塚近くの「七笑」 2,657台
23位 大滝村・御岳湖へと続く道沿いの「七笑」 1,452台

※データは、2015(平成27)年の国土交通省などによる「一般交通量調査」の「昼間12時間自動車類交通量(上下合計)」から

まだ知らない七笑看板は存在するのだろうか・・・コレクションは続く!?

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