長野県松本市の「キッチン南海」で神田神保町の思い出の「カツカレー」の味に浸る

カツカレー見参!

注文を済ませてからあらためて店内を見渡すと、やはり大盛りを注文しているお客さんが多い。そりゃそうだと思う。だってキッチン南海なんだからね。

しかし、わかってはいるのだが・・・その大盛りの量に驚愕してしまう筆者がここにはいる。そして、ちょっと悲しくなる。大人になってしまった・・・もうあんなに食べることはできやしないんだと・・・

・・・さらに、思いを馳せる。真夏のあの日、汗だくになりながら大盛りのカツカレーに喰らいついていたことを。カレーのスパイスが体中を駆けめぐり、すぐに血と肉に変換されていくことが確かに実感できたことを!・・・なのになぜ〜♪ などと、ちょいとアンニュイな気分になりかけていたところで・・・

「お待ちどおさま〜」との女将の声とともに・・・

どどんと完成!カツカレー(豚汁付き)

おお! いい感じ。美しい出で立ちである。カレーのルーの色は濃いめではあるが、神保町・本店の“真っ黒カレー”とはまた違ったたたずまいだ。

カツもこんがりきつね色

ルー、カツ、ご飯&キャベツが作り出す美しきトリコロール(?)。添えられた福神漬けが「これが日本の洋食だい!」という秘めた心意気をさりげなく演出する。うーむ、テンションが上がってきたぞ。

そして、日本の洋食のベストパートナーといえば、やはりミソスープである

というわけで、いただきます!

まずは、ミソスープ=豚汁をひとくち。うまし。そして、おもむろにルーとご飯をパクリ。うん! 辛味はそれほど強くなく柔らかな味だ。コクがあり少し苦みを感じる濃厚なルーにキッチン南海のDNAを強く感じる。ご飯とはもちろんベストマッチだ。

次にカツにかぶりつく。カリッカリに揚げられた薄めの肉とコロモのマリアージュ。脂っこくなくジューシーな豚肉。そして、サクサクのコロモはクリスピーな食感で、ルー&ご飯にめちゃくちゃよく合う・・・やはり筆者にとってはロースカツよりも、この“ただのカツ”こそが愛おしい味なのだ。

ドロリとうまいカレーのルー

そして、キッチン南海のカツカレーといえば千切りキャベツも欠かせない。ルーとカツ、ご飯の関係をスマートに繋ぐ一服の清涼剤だ。

でも、昔はキャベツの存在なんて全然気にしていなかったよな・・・と、ふと思い出して可笑しくなる。たぶん、カツカレーに喰らいついている間は、ルーとカツとご飯のことでアタマが一杯だったのだろう。

カツカレーをめぐるさまざまな思い出と、なつかしい味に浸りつつ、バランスよく食べ進めて完食! あーうまかった。ごちそうさまでした!

終わりに

“あの頃”に夢中になったお店のメニューとその味は、ずっと忘れることができない。たぶん今後も、どれだけ高級な料理を食べたとしても、一生超えられない味なのだと思う。

だからこそ思う。ガツガツ喰えるうちにいっとけ! と。いずれそれほど食べられなくなっても、その味は一生の宝物として思い出に刻まれるのだから。

キッチン南海に栄光あれ!

店舗情報

  • キッチン南海・松本店
    住所:長野県松本市中央4-7-20
    電話番号:0263-35-9715
    営業時間:11:30〜19:00
    定休日:火曜日
    駐車場:あり(数台)
    アクセス:長野自動車道 松本ICから車で約10分
    最寄駅:JR松本駅から徒歩約25分、アルピコ交通「松本周遊バス東コース」で約7分、バス停「薬祖神社」を下車、徒歩約2分

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