長野県小川村にある「本州のHESO(へそ)」が日本の中心って本当なの?

“本州のHESO”ってどんな場所?

 

本州のHESOには東屋と・・・

この地についての解説が記された看板があった

ただ、この解説がちょっとわかりづらかったので、以下に要約してみる。

  • この地にはかつて神社が建っていた(※今は村内の違う場所にある)
  • 現在では、この場所は“本州の重心”であることが判明しているが、いにしえの人々がなぜここに神社を建てたのかは不明で、底知れぬ力を感じる
  • この“本州の重心=中心”を、親しみを込めて「本州のHESO」と呼ぶことに決め、「御柱(おんばしら)」を建てることにした

ふーん。だから聖地なのね。

しかしこの説明だけでは、なぜこの地が“本州の重心=中心”なのかわからない。解説には別の記述もあったので、以下に再び要約してみよう。

看板の左上の解説がわかりやすかった

  • 2004(平成16)年12月11日に、この地が本州の中心地点であることがわかった
  • ここで定義する中心地点とは、東経137度58分40.2708秒、北緯36度39分17.75736秒であり、測量会社によって算出・確認された
  • 中心地点は、標高差を無視した本州の平面図において、均衡を保てる点(=重心)である
  • 2005(平成17)年11月27日、この地に高さ11mの柱を建て「御柱」と命名した

・・・えーと。つまりこういうことかな?

日本の本州部分のバランスがとれる地点が小川村の定義する「本州のHESO」

ふむ。なるほど・・・そしてさらに考察を深めようと思ったが、東屋にはさまざまなものが意味ありげに置かれており・・・どうしてもそちらに気を取られてしまう(伏線)

東屋の奥には祭壇(?)らしきものがあり・・・

チャーミングな神様(?)たちが・・・

祀られて(?)いた

祭壇の裏側にまわってみると・・・神様たちには塩ビのパイプが接続されている

神様たちの横には「硬貨投入口」と書かれた“何か(塩ビ製)”があり・・・

その“何か”は・・・説明によると、どうやら賽銭箱らしい

説明を読んでみたが・・・筆者にはよくわからない点が多々あった・・・ともあれ、以下に引用しておくので、それぞれが自分なりに読み解いてみて欲しい。

聖地 本州のHESO恩柱
鐘(金)が鳴る賽銭箱

お賽銭は硬貨のみとし、口から入れてください。

諸々の「見えない力」がここ本州の重心地点にはあります。
バランスをつかさどる力で、あまねく生きとし生けるものを護ります。

鐘は9個あります。(窮すれば点に通ず)
最終地点までは2.5m。
鐘の音が

途中に休んでいるお金を引き連れて

・・・えーと(どうしていいのかわからないので、とりあえずお賽銭を入れてみた。映像でご覧あれ)

・・・突っ込みたいことは山ほどあるが。ここは、あえて一つだけ)・・・あのー説明にある“聖地本州のHESO恩柱”って・・・御柱の間違いでは?

御柱といえば、言わずもがな諏訪大社の御柱祭が全国的に有名だが、実は小川村でも申年と寅年に執り行われている。

2010(平成22)年の小川神社の御柱祭

つまり、小川村にとって御柱に特別な意味があるからこそ、この“本州のHESO”にも建立したのではないかと思うのだが・・・

しかし、この鐘は何に使えばいいのだろう?恋人の聖地系?

東屋の中には、公衆電話の電話台らしきものがあり・・・

記念スタンプが置いてあった

さて、ここで「本州のHESO」のポイントをまとめてみよう。

「本州のHESO」のポイント
  • 「本州のHESO」とは、標高差を無視した“本州”の平面図においてバランスを保てる“点”
  • 「本州のHESO」の根拠となるデータは、測量会社によって算出・確認された
  • 「本州のHESO」には、小川村と縁が深い“御柱”を建てた
  • 「本州のHESO」には東屋があり、チャーミングな神様と賽銭箱、記念スタンプなどが設置されている

というわけで、この場所も“日本の中心”の一つということで異論はないと思う。

・・・はて? 何か忘れているような・・・あっ! 本州のHESOに建つ御柱を紹介してないぞ!

「お!福島ナンバーだ」本州のHESOには県外からの観光客も!・・・じゃなくて、この写真をクローズアップすると

写真の中央に立つ、根元に“縞模様”がある木が“御柱=本州のHESO”だ

終わりに

“本州のHESO=御柱”の写真を、きちんと撮影できなかったことは痛恨のミスだったが、いろいろな意味でとても(重要な写真撮り忘れるほど!)楽しめる場所だと思った。

評価

(5段階評価。★の数が増えるほど高い)

  • 到達難易度:★★
    幹線道路から目的地まで、多くの案内板が設置されており車で容易に到達できる。公共交通機関でのアクセスには難あり。
  • 日本の中心度:★★★★
    測量会社が実際に調査したデータを根拠にしている事実を評価。しかし、“日本の中心”であるか? という点に着目すると、“本州の中心”を“日本の中心”として認定していいものなのか? という疑問も残る。
  • 盛り上げ度:★★★★★
    村内には多くの案内板が設置され、目的地には訪れた人々をもてなそうと、さまざまにチャーミングな工夫がなされている。

帰り道で見つけた「警笛鳴らせ」の標識。小川村ってもしかしてレア標識の宝庫!?

アクセス

  • 本州のHESO(へそ)
    住所:長野県上水内郡小川村高府1502
    公共交通機関:JR長野駅からアルピコ交通・高府行きバスで約50分。バス停「高府」で下車。徒歩約50分
    車:上信越自動車道・長野ICから約70分、長野自動車道・豊科ICから約90分

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