長野県生坂村「山清路」の紅葉 奇岩と断崖に囲まれた犀川沿いの景勝地

平ダムの紅葉

美しい風景や景観、魅力的なシーンをピックアップして、写真を中心にお伝えする企画『フォトレポ』。今回は、長野県生坂(いくさか)村の山清路(さんせいじ)の紅葉をレポート。

民話に登場する峡谷「山清路」

長野県生坂村は、県の中央部東筑摩郡の北西部に位置する村だ。

長野県生坂村の位置

北アルプスの槍ヶ岳を水源とする犀川は、松本盆地を北流し長野盆地で千曲川と合流する河川だが、その流れはところどころで蛇行しつつ、美しい峡谷である「犀峡(さいきょう)」を作り出している。

犀川は生坂村で、支流の金熊川、麻績川と合流する。のあたりが山清路と呼ばれる景勝地だ。この地は、以前の記事でも触れたが民話『犀龍と泉小太郎』に登場する場所でもある。

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物語を要約してみよう。

昔、安曇野から松本平にかけては大きな湖だった。小太郎とその母である龍が湖を肥沃な平野にするために、山清路にあった大岩を突き崩して湖の水を日本海へと流した。

つまり伝説では、この地は小太郎と龍が壊した大岩があった場所で、湖の水の流れが犀川となったわけだ。

山清路の両岸は、いくつもの奇岩がある断崖となっており、1年を通して風光明媚であるため、古くから名勝として知られてきた。

山清路橋と新山清路橋、平ダムの紅葉

紅葉を目当てに、長野県生坂村の山清路を訪れたのは11月上旬のことだ。

山清路橋の上からを新山清路橋(国道19号線)を望む

今度は新山清路橋から山清路橋。右側にある切り立った岩が水神岩だ

断崖から松本方面を望む。川の色のグラデーションが美しい。左の道が国道19号線。右が県道55号線だ

新山清路橋付近の断崖には、遊歩道やあずまやが整備されている。あたりを俯瞰できるので登ってみるといいだろう。

遊歩道のあずまやを過ぎた木立の中から撮影

国道の対岸には奇岩が。トンネルが通るのは水神岩で、その右上側が猿とび岩だ

山清路橋から下流(長野方面)を望む

川の水の色が異なるのは、麻績川との合流地点であるため

少し下流に向かうと平ダムがある

光の当たり具合で紅葉の見え方は変わる

ダム湖の水面はとても静かだった

山清路橋と平ダムの間にある御曹子橋を望む

終わりに

山清路は、実際のところ現在ではちょっと寂れた観光地だ。

しかし、人が来ても来なくても、美しい景観はただそこにある。静かにのんびりと“犀峡”が織りなす紅葉を堪能させていただいた(国道19号線は大型車の通行が多いのでちょっと怖いが)

かつてはたくさんの観光客で賑わった?

アクセス

  • 山清路
    公共交通機関:JR篠ノ井線・明科駅から村営バス(下り)で約30分。バス停「山清路」で下車
    車:長野自動車道・麻績ICから約20分 長野自動車道・豊科ICから約35分
  • 平ダム
    公共交通機関:JR篠ノ井線・明科駅から村営バス(下り)で約30分。バス停「山清路」で下車、徒歩約40分
    車:長野自動車道・麻績ICから約20分 長野自動車道・豊科ICから約35分

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