つけ麺と荻窪ラーメンの原点は“信州そば”なの!?名店「丸長」の源流をたどる旅

聖地巡礼!?「丸長中華そば店(丸長荻窪本店)」へ

JR・東京メトロ荻窪駅南口

東京都杉並区にある「中華そば店丸長(丸長荻窪本店)」の最寄り駅は、JR中央線・東京メトロ丸ノ内線、東西線の荻窪駅だ。

荻窪はもともと、大正から昭和の初期にかけて別荘地として発展した街で、第2次世界大戦後は、空襲の被害が甚大たっだ東京の下町エリアから多くの人びとが移り住み人口が増加したエリアだ。

現在でも交通の利便性が高く商業施設なども充実していることから、住みやすい街として人気を集めている。

荻窪駅南口のすぐそばには南口仲通り商店街が

お店は、荻窪駅南口から徒歩2分ほどの場所にある。中央線の線路沿いを新宿方面へと進もう。

線路沿いをしばらく歩いていくと・・・

あった!

レトロなオレンジ色のひさしには「丸長中華そば店」の文字が

「らー・つけ麺 丸長」と書かれた看板も

お店を訪れたのは、平日の13:00過ぎだったが4〜5人のお客さんが列を作っていた。

客層はサラリーマン風の人や、近所にお住まいとおぼしき方々が多い。また、年配のお客さんも目立つ。つまり、それだけ長い間この地で親しまれてきたお店だということなのだろう。

10分ほど待って入店することができた。

入り口には営業時間が掲示されていた

お店の営業時間は11:00過ぎ〜15:00で、定休日は毎週水曜日と第3日曜日。営業時間は短めだが・・・

店内はお客さんでいっぱいだ

席数はカウンターが7席と、4席のテーブルが3卓。テーブルでは、お客さん同士が相席している。筆者はカウンターへ通された。さて、注文する品は既に決まっているが、まずはメニューを見てみよう。

メニューの筆頭には“当店自慢”のつけそば。そして“伝統の味”のラーメン。この名店にして、なんとも奥ゆかしいキャッチフレーズだ

カウンターの見やすい位置にもメニューが貼られている

メニューは基本的に、つけそばとラーメンがメインなので、麺の量を決めて竹の子(メンマ)、チャーシューなどからトッピングを選べばいい。ワンタンや餃子、シュウマイもあるし、ビールや日本酒も置いている。

この日は平日にもかかわらず、お通しの竹の子をつまみにしてビールを飲んでいるお客さんが結構多かった。そのうらやましすぎる光景を目にして心が揺さぶられるが・・・今日はこのあと打ち合わせがあるのでやめておく。

というわけで、ビールへの未練を断ち切るべく麺を大盛りにすることに。「つけそば・大盛り(830円)」をチョイスした。

早速、カウンター越しにオーダーするも「今、お冷やとおしぼりを出しますのでしばらくお待ちください」と言われる。なるほど、“そのタイミング”がこのお店のルールなのだな。

お冷やとおしぼりが出てきたタイミングで注文するのがジャスティス

カウンターからは調理するようすがよく見える

つけそばのつけ汁に何種類もの調味料を入れかき混ぜていた

つけそばは、麺を茹でるのに時間がかかるということもあると思うが、注文した品が提供されるまでの時間は長めだ。

さらに、お客さんが多いと順番に調理していくことになるので、混んでいる時は、できあがるまでに30分くらいかかるつもりでいたほうがいいだろう。

まぁ、調理のようすをじっくりと眺め、他のお客さんに届いた料理を見てるだけでも、すぐに30分くらいは過ぎてしまうが。そして・・・

「つけそば・大盛り」が着丼

麺はピカピカと光っている。刻み海苔がちょっと嬉しい

つけ汁は黒っぽく、粒状の調味料とネギが表面に浮かぶ

ビックリしたのはつけ汁の入った器がとても小さいことだ。大きめの湯飲みサイズというか・・・これは、つけ汁に麺を入れると盛大にこぼれてしまいそうな予感がする・・・

なぜ、こんなに小さいのだろう?・・・「そうか!このお店はもともとそば職人がはじめた店だ。つまり“そばちょこ”というわけか!」などと考えを巡らせる。

では。いただきます!

麺は水分をたっぷりと含んでおり、食感はモチモチでツルツル。すすると小麦粉の香りがしっかりとしてくる。見た目は黄色っぽくピカピカと光っている。コシはそれほど強くはないが、食べていて心地のいいおいしい麺だ。

そして、つけ汁は醤油ダレがしっかりと効いた濃いめの味。元祖・魚介系のダブルスープには、酸味と黒胡椒がガツンと効いており、“スパイシーである”と表現しても過言ではないようなインパクトの強さだ。

味がこれほど強いのは、本当にこのつけそばが少しだけつけ汁をつけて“そばちょこでそばをたぐるイメージ”で作られているからなのかもしれない。

つけ汁の底には、たっぷりの竹の子と細切れのチャーシューが沈んでいる。これらをおかずにして、夢中になってずるずると一心不乱に食べ進める。

そして、麺を食べきったところで最後はスープ割り。ふー。温かくマイルドになったつけ汁を味わいつつ、余韻をゆっくりと噛みしめる。

ごちそうさまでした!

終わりに

筆者が初めてつけ麺を食べたのは10代の後半だが、そのお店は中野区新井薬師にあった丸長(現在は閉店)だった。それからずっと、大勝軒をはじめとして、さまざまなお店でつけ麺を食べ続けてきたわけだ。

今回の記事では期せずして「自分が食べてきたものがどのように生まれて(しかも、信州とのゆかりがあり)、今どうなっている?」ということの一端に触れたわけだが、それはとても興味深いものだった。

聖地には今日もお客さんが“あの味”を求めて行列を作る

店舗情報

  • 丸長須坂店
    住所:長野県須坂市日滝4282
    電話番号:026-246-8881
    営業時間:平日11:30〜14:00(ラストオーダー13:50頃)
    土・日・祝11:30〜14:30(ラストオーダー14:20頃)
    ※売切れ次第終了
    定休日:月曜日
    アクセス:上信越自動車道 小布施SICから車で約10分
    最寄駅:長野電鉄長野線 北須坂駅から徒歩で約15分

  • 丸長中華そば店(丸長荻窪本店)
    住所:東京都杉並区荻窪4-31-12
    電話番号:03-3391-7518
    営業時間:11:00過ぎ〜15:00
    定休日:水曜日・第3日曜日
    最寄駅:JR中央線、東京メトロ丸の内、東西線荻窪駅南口から徒歩で約2分

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