平面直角座標系第VIII系原点(日本おへそ)ってなに?
・頭は八ヶ岳(?)の形をしている→南牧村のシンボル的な山
・八ヶ岳の上には星→ミザールとアルコル? だから何で・・・
・胴体には電波望遠鏡→南牧村には国立天文台野辺山宇宙電波観測所がある
・日本列島→日本の中心であることををシンボリックに表現した?
ちなみに役場に確認したところ、このキャラクターは南牧村のゆるキャラではなく、名前も特にないそうだ。
以下に全文を書き起こしてみる。
楕円体である地球上の位置は、経度緯度と平均海面からの高さで表示すると測量法に定められていますが、球面上で位置、方向、距離、面積を計算するには少々複雑な計算が必要です。
そこで、場合によっては義務教育でも習う数学のX座標、Y座標を用い、メートル単位の数値を使って平らな紙の上で簡単に位置、方向、距離、面積などを計算できるようにしていますが、これを「平面直角座標」と言います。
測量法では、日本を十九の区域に分けてこの平面直角座標系を定めていますが、この地が、長野県、新潟県、山梨県、静岡県が属する第VIII(八)系の公共測量の原点です。
なるほど。さらに、南牧村のホームページには以下の記述もあった。
この原点は、「第VIII系原点」と呼ばれ、長野県、新潟県、山梨県、静岡県の公共測量の基準点となっていますが、この4県は、ほぼ日本の中央に位置していることから、この地を「日本のおへそ」と名づけました。
(引用:南牧村ホームページ)
ちょっとややこしい説明だけど、少なくともきちんとした論拠をもとに(「古老の口伝」とかでなく!)、この地を「日本のおへそ」と定義しているようだ。よかった!
つまり、ものすごくざっくり説明すると、日本国内を測量するために「平面直角座標系」という“ものさし”を決めて、日本全国を19の区域に分けた。
長野県と新潟県、山梨県、静岡県は、19の区域の中では“8番目の区域=第VIII系”にあり、その「原点」と定められた場所が南牧村にある「第VIII系原点」なのだ。
この第VIII系(長野県、新潟県、山梨県、静岡県)は、“ほぼ日本の中心に位置する”ことから、原点のあるこの地を「日本のおへそ」と名づけたというわけだ。
この4つの石は、第VIII系原点を守るために置かれた「防衛石」というものらしい。関係する4県の石を置いて原点を守っているということだ(なぜ!?)。なので・・・
というわけで、「平面直角座標系第VIII系原点(日本のおへそ)」をまとめてみよう。
・「日本のおへそ」は、かつての「海ノ口馬市場跡」にある
・「日本のおへそ」は、4つの県の「防衛石」によって守られている
というわけで、この場所も“日本の中心”の一つということで異論はないと思う。
終わりに
「八ッ星の鐘」については賛否両論あると思うが、解説中の間違い「(誤)アルゴル→(正)アルコル」は修正した方がいいと思う。「日本のおへそ」の根拠は論理的だった。
評価
(5段階評価。★の数が増えるほど高い)
- 到達難易度:★
国道141号線沿いに立地し容易に到達できる。駐車スペースも広い。 - 日本の中心度:★★★★
平面直角座標系は、測量法の規定により定められているため極めて公共性が高く、根拠のより所としての信頼度は高い。しかし、島嶼部を含めて考えた時、19の区分中の8番目を“ほぼ日本の中心に位置する”と断定してもいいのか? という疑問も残る。 - 盛り上げ度:★★★★
村内の各所に案内標識が設置されている点は評価。ただし観光客に、石碑の解説だけでこの地が“日本の中心”であるとすることを理解してもらうのは難しいかもしれない。
アクセス
- 平面直角座標系第VIII系原点(日本のおへそ)
住所:長野県南佐久郡南牧村海ノ口
公共交通機関:JR小海線・佐久広瀬駅から徒歩約35分
車:中央自動車道・長坂ICから約30分、中部横断自動車道・八千穂高原ICから約30分