長野県大町市「大町山岳博物館」の今にも動き出しそうな“動物の剥製”がヤバい!

山岳との人との関わり合い

1Fの展示では、「人々がどのように“山岳”と関わってきたのか?」というテーマにスポットを当て、その歴史や、登山で利用した道具の変遷などを展示している。

登山に欠かすことのできない“道具”の展示

古来から伝わる日本製の道具と、近代登山の普及に伴い広がった西洋由来の道具を展示

北アルプスを登るということは、すなわち雪との戦い

下駄スケート・・・考えてみると“下駄”って人間の足と完全互換のアタッチメントだ

スチルカメラやムービーカメラも早い時期から山へと持ち込まれた

展示を見ていると、かつて山とは身近な存在でありつつも、その最深部は人知が及ばない聖域であったことがよくわかる。しかし、それゆえに近代になってからは、人々の冒険心や知的好奇心を強くかきたてたわけだ。

山岳をモチーフとした絵画や写真によって広くその実態が知られるようになっていく

かつて信濃国と越中国を結ぶルートの要衝だった「針ノ木峠」についての展示

中世から現代にかけての“峠越えルート”の変遷

長野県と富山県は、県境を接しているものの、現在でもロープウェイやケーブルカーなどさまざまな乗り物を乗り継いで両地を結ぶ「立山黒部アルペンルート」を除くと、自動車などで両地を行き来できる道路は存在しない。

にもかかわらず、いにしえの頃から両地を結ぶルートは存在した。その要衝が針ノ木峠だ。

そこは、かつて山岳信仰や交易の道であり、江戸時代には加賀藩と松本藩の境界にもなった。明治時代に入ると近代登山のルートとして発展。現在では多くの人々が訪れる登山道として利用されている。

そして展示では、そんな近代登山の発展を舞台裏で支えた、地元の人々の暮らしについてもスポットを当てている。

明治・大正期に地元の人が山に入る際に身につけた衣服や・・・

釣り竿や火打ち石、弁当箱などの道具が展示されていた

「日本アルプス 大町口案内者」と書かれた“はんてん”が!

かつて、このはんてんを着た人たちが、この地を訪れる登山客たちをガイドする光景を想像しながら、大町山岳博物館をあとにした。

終わりに

とても充実した内容だった。特にリアルな生き物の剥製は素晴らしいものだった。

記事では筆者が興味をもった展示を中心に取り上げたが、紹介したのはそのほんの一部であることをご理解頂きたい。

個人的には「針ノ木峠」についての展示がたいへん興味深く、さらに詳しく知りたくなった。

やっぱり山男には酒瓶がよく似合う!・・・しかしこれまたリアルだ!

施設情報

  • 市立大町山岳博物館
    区分:総合博物館
    住所:長野県大町市大町8056-1
    電話番号:0261-22-0211
    営業時間:9:00〜17:00(※入館は16:30まで)
    定休日:毎週月曜日、祝日の翌日、年末年始
    (※月曜が祝日の場合は開館、翌日休館。7〜8月は無休)
    観覧料:大人400円、高校生300円、小・中学生200円(※団体割引あり)
    アクセス:長野自動車道 安曇野ICから車で約40分、上信越自動車道 長野ICから車で約80分
    最寄駅:JR大糸線 信濃大町駅から徒歩約25分

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