道の駅信越さかえへ
県境を堪能したので、国道117号線を少し栄村方面へ戻って道の駅に向かうことにした。
モニュメントの解説によると、火炎形土器は約5000年前に作られた縄文土器で、おもに新潟県内の信濃川沿いに分布するとのこと。長い間その分布の南端は津南町とされていたそうだが、栄村でも見つかったことによりモニュメントを設置したそうだ。
街道が整備されるずっと以前から、同じ川の流域に住む人びとの間で交流があったことを示しているのが興味深い。
猫つぐらは稲わらを使ったネコ用の寝床で、新潟県の各地と長野県の栄村で作られる民芸品だ。江戸時代の浮世絵にも描かれていることが知られており、栄村では、少なくとも大正時代には存在したと伝えられているそうだ。
1987(昭和62)年から村の特産品として販売がはじまり、2014(平成26)年には「栄村つぐら」として、長野県指定伝統工芸品となった。
栄村のそばは、オヤマボクチ(ヤマゴボウの一種)と呼ばれる山菜をつなぎとして使用しており、地元産のそば粉と共に手打ちすることで、強いコシと豊かなそばの香りが楽しめるということだ。
オヤマボクチは、強いコシと独特の歯ごたえで知られる長野県飯山市の「富倉そば」にもつなぎとして使用されているそうだが、こうしたことから長野県や新潟県の一部では野生種だけでは需要を賄いきれずに栽培も行われているそうだ。
終わりに
長野県栄村の歴史や文化は新潟との繋がりがとても強いように感じた。
あたりまえのことだが、昔から道によって人や文化が行き来し、広がる。そこに、県境があったからといってその場所で急に変わるわけではないのだ。