
どんな“秘境”にも列車はやってくる。そこに駅がある限り
山道をえんえんと歩かないとたどり着けない駅があるらしい。その駅は、長野県泰阜村にあるJR飯田線の田本駅だ。
愛知県豊橋市の豊橋駅と長野県辰野町の辰野駅を結び、天竜川に沿って走る飯田線は、“秘境駅”がたくさんある路線として有名で、かつて『山側』でも、“吊り橋を渡らないとたどり着けない為栗(してぐり)駅”についてレポートした。


為栗駅には吊り橋を渡らないとアクセスできない
駅まで山道を歩くということだが、田本駅にもっとも近い家から徒歩でどのくらいの時間がかかるのだろう?
変な話だが、不動産店が田本駅の近くにある物件の広告を作るとしたら「田本駅の駅チカ物件! 徒歩○○分」というような情報は必要不可欠だと思うのだ。
というわけで、“駅からもっとも近い家=駅チカ物件”から田本駅までは徒歩で何分かるのか? 実際に駅まで歩いてみることにした。
山道を歩いて田本駅を目指す
まず、地図で田本駅の位置を確認してみる。
GoogleMapを見る限り、田本駅に繋がる道は見つからないが、まずは長野県道1号線で近くまで行ってみた。

駅の近くを通る県道1号線からスタート。辺りを探してみると・・・

あった! 田本駅への案内板が設置されていた
小さな木製の案内板で、この大きさと色合いだと、車で県道を通過するだけでは見つからないと思われる。
でも、駅までは山道・・・つまり徒歩で行くしかないわけだから、そんなに目立つ看板にしなくてもいいのかもしれない。
ここが、田本駅への入り口だということは、この辺りにある物件が“駅チカ物件”だということになる。周囲を見渡してみると・・・

商店と・・・

お食事処があった。ということはこの辺りは“田本駅前商店街”といったところか
さて、駅に向かおう!

県道の脇の舗装された道を進む

すると、まもなく木々の中へと道は続いていく

そして一気に山道になった。道は基本的に下っている。鳥のさえずりが心地よい

駅までの道を遮る倒木を乗り越えて行く

さらに進んでいくと竹やぶになった。すると・・・

タケノコを発見!
道沿いにタケノコを見つけたのでゲット! さらに辺りをよく見てみると、ニョキニョキとたくさん生えているではないか! そういえば前日は雨だった。“雨後の筍”とはよく言ったものである。

こんなに採れた・・・
でも、駅までの道でタケノコ狩りができるってすごいなぁ・・・で、近くを見ると・・・

タケノコの皮が捨ててあった
なるほど! この駅の利用者は、途中でタケノコを採って皮をむいていくのが普通のことなんだ!(・・・って、よくわからないけど)
さらに進んでいく。すると・・・

街灯がぽつんと建っていた
ここまで、街灯は見かけなかったが、なぜここに・・・どちらにしても夜間の駅利用者への配慮だろう。でも、夜にこの道を通るのは正直ちょっと怖いと思う。

街灯には「生活安全保護施設街路灯設置」と書いてあった

鉄の柵が出現

さらに進むと、今度は柵というよりはフェンス?共に駅利用者の身を守ってくれる

これは・・・フェンスというよりは“かけはし(※崖沿いに棚のように設置した道)”のようだ

タケノコの皮はゴミかな?自然に還るしいいよね

・・・しかし、この“写真だけ”を見て「駅までの道」だと信じてくれる人はいるのだろうか?

お!2つ目の街灯が登場。今度は蛍光灯タイプだ

鉄板を並べた“かけはし”が出現

フェンスが倒れており、ちょっと怖い

さらに道を下っていく。すると・・・

扇子が落ちていた。たしかにこの道を歩くときには必要かも(すでに筆者は汗だく)

コケむす道。さらに進んでいくと・・・

線路が見えてきた!?

見えたー!飯田線だ

急な階段を降りると

駅に到着。ホームの幅は狭いが点字ブロックが設置されていた