駅そば店の壁に貼られた“2円切手”の意味とは?長野県中野市は“唱歌『故郷』の故郷”なの?

“かの山とかの川”を見に行く

まずは記念館の近くにあるという高野の生家に行ってみる。

高野の生家。看板が立っていた

現在も住居として使用されているようだ

次にガイドマップに記載があった「ふるさと橋」に行ってみることにする。

「ふるさと橋」には、歌詞にある“小鮒釣り”をイメージしたと思われるレリーフが

橋の欄干は“うさぎ”のデザイン

唱歌『故郷』の解説がある

楽譜もあった!

橋の上から“かの山”を望む

記念館に貼られていた案内や、ガイドマップによると、大持山(だいもちやま)や、熊坂山(くまさかやま)、大平山(おおひらやま)が、唱歌『故郷』に登場する“かの山”だと言われているそうだ。

“かの山”をパチリ

歌詞に出てくる“うさぎ追い”とは、この地で冬期に子供たちも加わった村総出の行事だったそうで、これらの山の中で本当にうさぎを(食べるために)追いかけていたとのこと。

では“かの川”はというと・・

ふるさと橋のが架かる斑川(はんがわ)が“かの川”だと言われている

“かの川”の下流でも写真を撮ったが“小鮒”は見つけることができなかった

近くに「毛の川入り口」というバス停もあった

終わりに

駅そば店に貼られていた“2円切手のうさぎ”に導かれて(追いかけて?)、“唱歌『故郷』の故郷”にたどり着いたが、子供の頃から知っている歌の風景を実際に見ることができて感慨深かった。

それは、極めて“普通の里山の風景”だった。しかし、「そもそも故郷ってそういうものでしょ?」という気もする。

私たちが、唱歌『故郷』を歌う(想う)時に、思い出す“故郷”もまた、それぞれが思う“普通の風景”なのではないだろうか?

ここから先は余談だが、同じように高野辰之が作詞した唱歌『春の小川』に登場する“小川”は、“かの川”と同じ斑川であるという説もあるが、東京・代々木を流れる河骨川(こうほねがわ)が、モデルではないかとも言われている。

高野の東京での住居は代々木にあり、その歌碑が現在では暗渠となった河骨川(小田急線沿い)に建っているのだ。

かつて高野は、このあたりをよく散策したそうで、今では当時の面影はまったく無いが、“自分にとって身近な風景”を歌詞にしてきた高野だけに、それなりに信憑性はあるように感じる。

この場所は筆者がよく知る場所でもあるので、私事で恐縮だが記事のおまけとして記載させて頂いた。

※後日、渋谷区代々木の「春の小川」についての記事を公開した。

唱歌『春の小川』のモデルとなった川は東京都渋谷区の地下を流れている!?

小田急線・代々木八幡駅の近くにある電柱。かつての「春の小川」は現在では道路の下(暗渠)だ

関連情報

  • 裾花郷(駅そば店)
    長野駅在来線3・4・5番線ホーム
    営業時間:7:30〜19:00(無休)
  • 高野辰之記念館
    長野県中野市大字永江1809
    電話:0269-38-3070
    開館時間:午前9:00〜午後5:00(3月〜11月)
    午前9:30〜午後4:00(12月〜2月)
    ※最終入館時間は閉館30分前
    休館日:12月〜3月は祝日以外の月曜日
    12月29日〜1月3日
    ※4月〜11月は無休
    観覧料:一般:300円(20人以上の団体230円)
    高校生:150円(20人以上の団体100円)
    (中学生以下、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方及びその方の介助の方1名、中野市内の70歳以上の方は無料)
    ※当日、現金のみの取扱い
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