岩鼻ってどんなとこ?
調べてみると、岩鼻とは千曲川を挟んで立つ岸壁のことで、半過(はんが)岩鼻と塩尻(しおじり)岩鼻とがある。長野県の天然記念物にも指定されている名勝であることがわかった。
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鼠橋から見た半過岩鼻と塩尻岩鼻
これから向かうのは「半過岩鼻」だ。
近くにある道の駅「上田道と川の駅」から歩いて行くことにする。
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道の駅「上田道と川の駅」と半過岩鼻の位置関係がわかる案内板
車を駐車場に停め、近くまで行ってみると・・・
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でかい・・・絶壁だ
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そばで見るとすごい迫力。半過岩鼻に巻きついたように見えるコンクリートは・・・
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「半過洞門」。今では廃墟となっているようだ
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かつて洞門は落石から通行する車や人を守ったのだろう
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現在では、「岩鼻トンネル(写真左)」が開通し、国道18号線のバイパスとなっている
「半過洞門」は近代になってから、作られたものだろうが、いにしえより交通の難所であったことは今この場所に立ってみても容易に想像できる。
鼠宿にあった看板には「加賀前田侯は参勤交代の際岩鼻を通過すると、飛脚をたてて無事を国許に伝えたという」とあったが、それもうなずけるような険しさだ(加賀の殿様が千曲川のどちら側を通ったかは定かではないが・・・)。
さて、半過岩鼻を登ってみよう。
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頂上へは遊歩道が整備されている
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とはいえ、なかなかの山道だ
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携帯電話の電波塔と思われるものが見えてきた
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到着! 頂上は思っていたよりも広い
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眺めもとても良い!
半過岩鼻の直下には、千曲川が流れていることもあり頂上からの景色は際立っている。頂上は「千曲公園」として整備されており、桜の木がたくさん植えられていた。
そして・・・
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「ねずみ」について書かれた看板が!
看板の説明を要約すると
- この岸壁は半過岩鼻と呼ばれており、千曲川を挟んで対岸には塩尻岩鼻がある
- 遠い昔、2つの岩鼻は続いており、上田盆地は一面の湖だった
- 湖の西にねずみがはびこり田畑を荒らしたので、唐猫を集めて追わせた
- 逃げ場を失ったねずみは、岩山を食い破り湖の水は千曲川となり、一帯は陸地になった
・・・壮大な伝説だ。この地に伝わる古くからの言い伝えなのだろう。
看板の説明にある「湖の西」を塩尻岩鼻の西あたりだと仮定すると、ねずみがはびこった場所は鼠宿がある場所とほぼ一致する。
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半過岩鼻の頂上から、千曲川下流・鼠宿方面を眺める
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写真をクローズアップ。北の方角に塩尻岩鼻、その西側に鼠宿と鼠橋が見える
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こんな感じで湖だったのか・・・
「ねずみ」もう一つのいわれ
「岩山を食い破った」というねずみに思いを馳せつつ、道の駅に戻ってきた。
さらに道の駅にも何かないかと探していたところ・・・
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「おとぎの里岩鼻 」という案内図を発見した。
半過自治会、上田市、国土交通省千曲川河川事務所によって作られたもので、付近のさまざまな情報が記載されている。
クローズアップしてみると・・・
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「からねこ伝説」は半過岩鼻の頂上でみた説明とほぼ同じ
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で、「ねずみのゆらい」には以下のように書かれていた
昔ここは山と山に挟まれた川の地せき(※)のため、旅の難所でした。
そして、古くからの宿場として栄えたこの場所で旅人の安全を願い、川のはんらんをねずに見ていたことから「ねずみ」となったといわれています。
唐ねこ伝説に登場するねずみからとったともされている。
(看板「おとぎの里岩鼻 」より引用)※地籍=土地の位置や形状の意
なるほど。そのような言い伝えもあるのか。
まとめ
調べたことをまとめてみると、
- 長野県坂城町にある国道18号線「ねずみ」交差点は、旧北国街道の鼠宿にある。
- 「ねずみ」という名がついたのは「唐ねこの伝説」に由来するという説と、「千曲川の氾濫を寝ずに見た(寝ず見=ねずみ)」に由来するという説がある。
ということになる。
「ねずみ」交差点の名前を巡って、この地のさまざまな歴史や伝説を知ることができた。
終わりに
取材を終え、道の駅「上田道と川の駅」の売店に行ってみると面白い野菜を見つけた。
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これ!「ねずみ大根」という名前らしい。・・・確かにしっぽもある
お店の方に伺ってみると、ねずみ大根はこの辺りの名産品で「おしぼりうどん」にして食べるのが一般的とのこと。「おしぼりうどん」って何だろ? と考えていると、この道の駅で食べることができると教えてくれた。
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食事処の名前は「岩鼻」。これか!
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「おしぼりうどん」全景。うどんは温かい
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ねずみ大根のしぼり汁
「おしぼりうどん」は、ねずみ大根のしぼり汁に、味噌、ネギ、かつお節などを薬味として加え、あったかい釜揚げうどんを汁につけて食べるそうで、味は「辛くて、あったかくて、ちょっと甘い」という感じ。体がポカポカしてくるやさしい味だった。
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「ねずみ大根」をモチーフにしたゆるキャラもいる。「ねずごん」かわええ!
画像:坂城町ねずごん公式サイトより