天龍橋(吊り橋)を渡る
駅を目指して先に進む。地図ではこの橋も県道430号線に指定されていた。
さっき看板に書いてあった「信濃恋し」は川が右に曲がったあたりだろうか?
平岡ダム完成(昭和26年)以前の当地は、急流と岸壁がぶつかり、複雑な地形となっていました。そのため、川はいったん上流に押し戻されるような流れをなしていました。そこに、諏訪湖方面から木材を運ぶ筏(いかだ)や、旅の船が流れてくると、まるで信濃の国を惜しむかのように船のへさきが上流に向くことになり、これを「信濃恋し」の地名の由来とする説もあります。
(天龍村観光協会の看板から引用)
なるほど。当時、静岡県や愛知県に向かって天竜川を下る船旅の途中、長野県の南端に位置するこの地で、“恋しい”信濃(長野県)を振り返ったいうことか。しかし風流なネーミングである。
この風景を眺めながら「行ってきます!」とか「また来るね!」とか思ったんだろうな。当時の人たちも。
さて、橋を渡ります!(動画もご覧あれ)。
為栗駅ってどんな駅?
為栗駅は1936(昭和11)年に開業したホーム1面1線の無人駅で、1日の平均乗車人数は8人(2011<平成23>年)。駅開業時には周辺に集落が存在したが、戦後になってこの駅の下流に平岡ダムが完成したことにより、天龍川の水位が上昇して集落が水没したそうだ。(出典:長野県ホームページ)
そうか、この辺りには元々集落があり、鉄道の利用を見込めたからこそ駅が設置された訳だ。
終わりに
為栗駅は、本当に吊り橋を渡らないとたどり着けない駅だった。
天竜川は長野県の諏訪湖から愛知県、静岡県を通って太平洋に注ぐ川で、飯田線もおおよそだが似たようなルートをとる路線だ。
昔も今も川と鉄道の違いこそあれ、人々はこの地の風景や地形に思いを馳せながら往きかっていたのだなと感じた。
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